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小さな国語塾のつぶやき

「お世辞」

小学生の頃、さかさまに読んでも意味が通じる言葉で遊んでいたことがある。例えば「手袋(てぶくろ)を反対から読んで」と一人が別の子に言う。言われた方は「ろくぶて」と答えると・・・相手から六回たたかれることになるのだ。なぜか?「ろくぶて=六(回)ぶて(たたけ)」となるから。他の言葉はすっかり忘れてしまったが、昨日ある場所である人が「お世辞」を言っているのを聞いて「あ、お世辞も逆から読むと面白い」と一人でニヤニヤしていた。「お世辞」は「世の中を渡っていくために使う口先だけの言葉に接頭語の『お』が付いたもの」で、「世辞」を逆から読むと「辞世(じせい)」。「辞世」とはレ点を付けて「世の中を辞す⇒最期(死ぬとき、死ぬ直前)、またその時の言葉」という意味になる。相手のことを非難ばかりするよりは、たとえ本心でなくても褒めて場を和ませる(お世辞を言う)方がマシだとは思うが、お世辞は余程上手に言わないと場が白けてしまう。正直言って辞世の句としてお世辞を頂戴するのは有り難いが(要するに、自分の最期を迎えたのちの葬式などでは折角だから褒めて送り出してほしいので)。学生時代のバイト先の上司が、とっても正直な気質の方で・・・・夜の街で素人さんがお世辞を並べることに対して切れたことがある。プロであるママさんがその場を必死で収めたが・・・その時に、「お世辞って言わない方がいいなあ。下手にお世辞を言うと逆効果?!」と学んだ。わざわざ思ってもいないことを必死で取り繕って無理して言うよりも、目の前の事象や人様の良い所を見つけて、その部分を正直に(時と場合によっては少し大げさに?)表現する方が空気が白けないだけでなく、お互いに気分がいいだろうなああと思い、今でもお世辞は言わないが、いいと思ったことは褒めるということを実行中。

2017/04/11 00:04

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