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小さな国語塾のつぶやき

三寒四温

「三寒四温」という言葉がある。読んで字のごとく、三日ほど寒い日が続いた後で四日ほど暖かい日が続くという意味で、この繰り返しで温かい春がやってくる。特に中国北部や朝鮮などで冬に見られる現象。つまり、この言葉は元々は冬に使う言葉だったが、日本では寒暖の変化がはっきりと現れる春先に用いられる。最近温かい日が4日ほど続いていた(最高気温が15~20度)十勝地方、うってかわって昨日は少々冬に逆戻りしたような気温(最高気温が8度)でまさに「三寒四温」だなあとしみじみと感じる。むろん、昨日から明日までと3日間きっちりと寒いというわけではないだろうが、少しずつ少しずつ温かい日が増えていき春になるんだなあと思うと何となく気分が晴れ晴れとする。科学がまだまだ発達していなかった頃は五感をフルに働かせ、自然を感じ取りそれらの経験を言葉で表し、それが現在にも生活の知恵として諺や慣用句として受け継がれている。そんな短い言葉の中に込められた意味や想いを感じるとなんだか豊かな気分になるのが嬉しい。例えば「春は移動性高気圧の影響で寒くなったり温かくなったりする」と表現するよりも「三寒四温」と言う方が風情があるなあと思うのだ。同様に6~7月の長雨を「停滞前線」とスパッと割り切るよりも「梅雨」という言葉で表現し、また、食べることが大好きな自分にとって「この食品はグルタミン酸(うまみ成分)がどうのこうの」と説明されるよりも単純に「美味しい~~~」と言ってもらったり、言う方が好きだ。(これはあくまでも個人的嗜好の域なので、どれがいい悪いと評価しようという意思はないということを特筆しておく。)話は戻るが春を表現する言葉は沢山あり、それらを見つけたり使ってみるのは楽しいこと、ぜひ皆も素敵な春の言葉を探してみては?

2017/04/09 00:43

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