めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
漢詩
今年の入試では久しぶりに「漢詩」、しかも何と何と教科書に掲載されている作品が出題された。生徒たちは「これって出題者側の怠慢ですか?それともサービス問題ですか?」と口々に言っていたが、教科書内容をきちんと理解している学生にとっては最高のサービス問題であったことは間違いない。さて「漢詩」は①漢詩の形式(五言絶句、五言律詩、七言絶句、七言律詩)②押韻の場所③起承転結、という3点を覚えておくことは不可欠だが、それ以外にも有名な3名(むろんテストにも出やすい)を覚えておくと理解が深まる。その3名とは、詩聖と呼ばれている杜甫、詩仙の李白、「春眠暁を覚えず・・・」の書き出しで有名な「春暁」の作者、孟浩然。詳細は授業で話しているが、杜甫の無常観は「方丈記」の作者である鴨長明や「奥の細道」の作者である松尾芭蕉へと受け継がれているからである。中学3年生の教科書で漢詩を学ぶのだが、杜甫の作品と李白の作品が一遍ずつしか載っていない。国語塾では杜甫の別の作品も紹介することによって彼の作品の特徴や無常観について実感できるよう心がけている。また、教科書に掲載されている李白の作品は「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」(←これが入試に出題された)だが、この孟浩然こそが有名な「春暁」の作者なのである。「春眠暁を覚えず」はまさに今の時期に使う慣用句となっているぐらいに有名な言葉。「春眠暁を覚えず」という言葉だけが有名になっているが、作者、さらには作者である孟浩然と李白が友人同士だったと知ると、味気ない、学ばされている「漢詩」が少し楽しく思えることだろう。何事も関連して覚えていくと理解が深まり、しかも興味がわくという一石二鳥。
2017/03/20 01:28
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