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小さな国語塾のつぶやき

まじめ➡おもしろい

「聴き手が笑う場面であればあるほど、落語家は真剣に、まじめ顔で演ずるということです。(中略)おもしろいと読者が思うのは、描かれている内容自体がおもしろいときであって、書く人がいかにおもしろく思っているかを知っておもしろがるのではありません。」(出典「中学生作文技術」本多勝一)という文章を国語テキストの中で見つけた時には思わず、解く手を止めて「成程なあああ」と大きくうなずいた。確かに「時をかけるゆとり」(文春文庫 朝井リョウ著☜直木賞作家)というエッセイは真面目に書かれているから読者にとっては抱腹絶倒になるのだ。本当の本当に真面目に真面目に、素晴らしい筆力を生かしてご自分の体験やエピソードを書いてるのである。つまり、書いている本人がおもしろく思っているという要素を全く見せていないのだ。あまりにもおかしいので、気分転換したい時にはちょこちょこっと読み返しては大笑いしている(絶対に周りに人がいる場所では読めない・・・・)。また、以前に友人からパソコンに送られてきたメールがあまりにも可笑しく、そのメールをいつでも読むことが出来るようにと自分の携帯に転送し、ことあるごとに読み返しては笑っている(一通ではなく複数!)。携帯に転送したメールを書いた本人に見せたところ「え?そんなこと書いたっけ?」「そんなに面白い?」と言われる、つまり書いた本人はいたって真面目なのだ。だから面白い!人を笑わせようと必死になってあれやこれやと工夫を凝らした笑いは正直言って薄っぺらく感じてしまい、あまり面白いとは思わない自分にとって、本人自身はいたって真面目なのだが実は面白いことを言ったり書いたりしているという才能を持っている人は貴重である。

2017/03/05 00:53

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