めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
恩送り
最近「恩送り」という素敵な言葉を時々耳にする。この言葉は故作家、井上ひさし氏が著書で紹介されたことから少しずつ広まっていったらしい。「受けた恩を直接相手に返すのではなく、周りの誰かに送るという意味。送った恩は巡り巡って、恩を受けた人や家族や友人に返ってくる。『恩送り』の巡り合わせが、たくさんの人を幸せにする。そういう意味らしい。『らしい』と書いたのは、辞書に出ていなかったから。江戸時代にあった言葉らしい。(「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」P261~P263)」。さて先日、生徒A「合格したから、もう塾(←大手塾)には行かず遊んでるだ~(※国語塾には不定期で通塾)」生徒B「そうなんだ。自分は合格しても塾(国語塾ではない別の総合塾)に来るように塾長に言われているよ。(この生徒は近々推薦入試を受験、合格予定!!!)」生徒A「え~。自分は塾に行ってる暇なんてないよ。異常なまでの難しい数学の宿題を既に出されててそれをしなくてはならないし!!!」・・・。その後何気なく生徒Bに「塾長命令だから従うの?(無理しなくていいんじゃない?)」的なことを言うと「だって、長年お世話になってるから恩返ししたいし・・・」。素直でまっすぐな生徒B的な発言だなあと思いつつ「恩返しも大事だけど、恩送りもありだよ。受けた恩を別の人に送るのも素敵だよ~」と余計な(?)発言をしてしまった。よくよく聞くと塾長に言われたから・・・ではなく自分の意思で合格しても通塾するとのことで「それなら納得!いいことだよ~、頑張ってね」とホッとした。若い子たちは恩を受けるのは当たり前、将来人様の役に立つ、人様に喜んでもらえるような仕事などをすることによって十分「恩返し」ならぬ「恩送り」出来るよ~と言いたくなった出来事であった。
2017/02/13 03:10
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