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小さな国語塾のつぶやき

ほかならない

「ほかならない(他ならない)」という言葉が中学生のテキストで出てきた。長年生きている立場としては、この言葉には何の違和感もなく、正しい意味をとらえることが出来るのだが、中学生にとっては「???」だったようだ。最初、文末を見て否定語だと思い込んでしまったようなので「この文はどんな意味?」と質問。否定で答えると意味が通じなくなり・・・しばらく考えてから「他にない⇒それ以外の物ではない⇒まさしくそうだ」と正しい意味にたどり着いた。「ないわけではない=ある」といった具合に明確な二重否定だと強い肯定ということは理解しているのだが、微妙に文末に否定があると「???」となりがち。ではどうすればよいか?結論を言うと、こういう難しい言い回しが出て来たら、その都度覚えるしかない。日本人だからといって普通に生活しているだけでは語彙力はなかなかつかないが、教科書やテキスト中に出てきた難解な言い回しをしっかりと覚えると語彙力が増え、教養が身につく。ちなみに否定の表現を使うことによって強調するという使い方は英語の比較級(中学2年生で学習)でも出てくる。No (other) city in Japan is larger than Tokyo.「東京より大きい都市は、日本にはない。」がまさにそう。「東京より大きい都市は、日本にはない。」とは言い換えると「東京が日本で一番大きい都市」と言える。先の英文を最上級に書き換えるという問は昔から頻出だが、いくら最上級の形(the  ~est)を覚えたとしても日本語の意味をしっかりと理解できないと書けないという事態が!「ない」という否定語が出てきたら意識的にしっかりと覚えることが大切。

2016/12/28 01:36

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