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小さな国語塾のつぶやき

丁寧な字

昨日、読書感想文の最終審査会が行われた。自分が担当する学年については他の審査員の方々と意見が一致することが多く、最優秀賞や優秀賞はほぼ満場一致でスムーズに決定。つまり「素晴らしい内容」の作品は平等に(?)人の心を打つということか。さて、文章の審査の基準は「内容」であることは当然のことだが、実はそれ以外に「字の丁寧さ」「字の濃さ」も影響する。町内の中学生は「手書き」指定のため、どうしても作品をパッと見た瞬間に「字」の持つ印象が強くなってしまう。コンピュータが審査する、あるいはすべての作品がパソコンで書かれているものならば同じ条件での審査になるが・・・。これは「達筆」が良くて「悪筆」が悪いと言っているのではなく、「字の丁寧さ」「濃さ」から伝わってくる「字」の持つパワーというか印象というものが存在し、審査員の心象に影響を与えると言いたいのだ。たとえ字が上手ではなくても一生懸命、一文字一文字書いている作品からはその熱心さが伝わるもの。これは、人間に当てはめても同じで、初対面の人が美人か美男子かよりもその人の持つ雰囲気が素敵かどうかで第一印象が左右される。いくらルックスが素晴らしくても能面のような表情でつんけんした態度の人には好印象は持たない。読書感想文は時間制限のある中で書くわけではなく、夏休みというまとまった時期に取り組むものなので、出来るだけ清書は「読む人がいる、読んでもらう」という謙虚な気持ちを持って「丁寧な字」を心がけてほしい。それが読み手に対するマナーであり、そういった心掛けは必ず読み手に伝わり、結果としてその頑張りが入賞につながる。

2016/12/20 00:20

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