めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
漱石枕流
今年は、「吾輩は猫である」「坊ちゃん」でおなじみの夏目漱石の没後100年。彼は1916年12月9日に亡くなり、先日は100年目の命日ということで夏目漱石のアンドロイドが公開されたばかり。生徒たちに古文+教養を!と張り切って「枕石漱水」という故事についての古文演習。「枕石漱水」は「流れに漱(くちすす)ぎ石に枕す」と読み、「俗世間から離れて、川の流れで口をすすいで石を枕として眠るような引退生活を送りたい」という意味、昨日の古文演習内容は、晋の時代の孫楚(そんそ)という人が友人に「もう隠居したいんだ」という気持ちを伝えるために、この詩を使って話をした。しかし「漱石枕流」と言い間違えたところ、友人はすかさずつっこむ。「おいおい、石で口をすすいで川の流れを枕にするなんてどんな隠居生活だよ」と。ところが、孫楚は間違いを素直に認めることはせず「石で口をそそぐのは、歯を磨くため。川の流れを枕にするのは水で耳の中を洗うためだよ」と負け惜しみを言うお話。ここから漱石枕流は負け惜しみ、頑固者という意味になり、自分のことを変わり者と思っていた漱石は、これをペンネームにしたと言われている。 まずは問をさせて・・・それから「字」を見て何か気づくかなああと期待していたのだが、完全に期待外れ。正答率が低く、さらには「漱」「石」にチェックを入れても全く反応なし・・・・。ショックを受けながら解説、漱石の本名は金之助で・・・・と説明したがどこまで伝わっているか 。光源氏、「嵐の前の静けさ」と言うと彼らはジャニーズだと思いこんでたり、逆に彼らから「先生、ダイゴって知ってる?」と聞かれ「メンタリスト?」と返すと「それもそうだけど、違う違う!北川景子の夫!そんなことも知らないの?」と言われる始末。ウーンあまりにもジェネレーションギャップが大きく凹みかけるが、逆に「日本人として、恥ずかしくない教養を付けさせたい」という信念がますます強くなるのも事実。今日もめげずにファイト!
2016/12/16 01:32
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