めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
憑く、憑かれる
今年は仕事が忙しく、また12月は冬休みを控えており、既に何軒か講習や個別指導の依頼をいただいており有難い限り。本来ならば仕事が忙しいと疲れるはずなのだが、正直言って肉体的にはしんどいなあと思うことがあっても精神的には逆に元気になっている!それは生徒の頑張りからパワーをもらっているから。さて、「疲れる」の語源説は複数あるが、そのうちの一つが「憑かれる」だということはだいぶん前に何かで読んで知っていた。が、実は「ツイている(ラッキーである、幸運である)」の「ツく」の語源も「憑く」だと一か月ほど前の朝日新聞掲載の天声人語で知った。同じ語源なのに語尾の活用が違うと意味が真逆!と思うととっても興味深い。「憑く、憑いてる」側は幸運でパワーアップ、「憑かれる」側はパワーダウンして「疲れる」・・・・。ウーン、確かに当てはまる場面があるなあと字を見ながら考え込んでしまう。例えばストレスフルの人が目の前の相手に「罵詈雑言(ばりぞうごん)(汚い言葉で、悪口を並べ立ててののしること。また、 その言葉)」を浴びせたとする。浴びせる方は気持ちが軽くなってラッキー(憑いてる)だが、浴びせられた方としてはたまったものではない。究極の「憑かれ、疲れ」に見舞われる。自分自身は基本的に悪口などは言わず(言う必要がないぐらいに恵まれているだけか?)、聞かされるのも苦手。長時間、愚痴悪口を聞くと必ずと言っていいほど異常な疲労感に襲われることは経験済み。昔の人は身をもって体験したことを漢字で表したのかなあと思うとますます漢字に興味が湧いてくる。何はともあれ健全な「ツイている」状態を目指したいもの。
2016/12/13 02:30
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