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小さな国語塾のつぶやき

動詞+さる

数年前、知人が「母から荷物が送らさってきた」と言った時に「???荷物が送られてきたという受け身とは違うの?」となった。「送らさってきた」とは「意図せずに送られてきた」という意味で、「自発+受け身」だとか。実は「動詞+さる」は北海道弁で、①「○○できる」②「自然に、あるいは、意図せずにそうなる」③「受け身」という意味で使うとその時に初めて知った。①の「○○できる(可能)」は「このペン、インク出るかな?あ、書かさるわ!」つまり、書くことができるという使い方をするらしい。一般的な「れる、られる」は完全に「自発」「可能」「受け身」を分けて使われるが「動詞+さる」は①②③を厳密には分けず、混じったようなニュアンス。この表現には、対象物が悪いのであって自分は悪くないと責任回避する意味合いや、特定の誰かを責めることなく対象物がある状態になっていることを示す意味合いが含められており、使いやすい言葉となっているとのこと。そうすると、責任転嫁的な意味合いもあるのでは?といじわるな見方もしてしまう。例えば、誰かに自分の意思に反してエレベータのボタンが押されてしまった「押ささる」と使えば相手をダイレクトに責めない柔らかいニュアンスになるだろうが、自分の行動にについて使うときは「自発的に、やってしまったことで自分の意思ではない」となる?それとも自分の行動には使わない?!とか考えてしまうが、地元の人に聞いても良く分からない。なぜなら、方言のニュアンスというものは使っているうちに身につくものでうまく言葉では説明できないものだから。方言ってホントに奥が深いなあと改めて実感する。

2016/11/26 16:18

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