めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
「幸」「辛」
先週金曜日にお預かりした、中学3年生の読書感想文の審査を終えてホッとしている。他の審査員の方々との最終審査は来月だが、まずはトップバッターで預かり選考を行った。皆が一生懸命に書いた作品の数々、一点一点大切に読ませてもらうのだが残念なことは誤字脱字が多いこと。もったいないなあと思いつつ、今年は興味深い誤字を発見。ある作品中に「幸せ」をことごとく「辛せ」と書いていた。本人は「幸せ(しあわせ)」と「辛さ(つらさ)」を対比したかったようだが「しあわせ」と「つらさ」が同じ漢字になっており、思わず苦笑い。確かに「幸せ」と「辛さ」は見た目が似た漢字で、実生活においても「幸せ」と「辛さ」は紙一重。でも何年か前に書いたと思うが語源は全く違い、この二つの漢字には関連性はない。語源は違うが、偶然にも似た形の漢字になってるという点が興味深い。感想文の審査を終えてホッとしつつ、思わず「幸」と「辛」について様々なことを考えてみた。人間の幸不幸はまるでオセロの駒のようで、あることをきっかけに突然「幸」が「辛」に一気に変わってしまったり、逆に「辛」が「幸」になったり。そこには先を読む力、先見の目や手段が必要になるのかなあ~?いやいや、人間の幸不幸には人知を超えた力や流れというものが存在するので、オセロというよりも麻雀的?と言った具合に。たった一つの誤字からどんどんイマジネーションを働かせて楽しめる自分っておめでたい、幸せな人間だと言えるだろう?!
2016/11/23 02:51
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