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小さな国語塾のつぶやき

月の光の美しさ

昨夜、中学生授業が終わり、生徒たちは保護者たちがお迎えに来てくれているかを確かめるためにカーテンを開けて窓から外を覗いたところ・・・。目の前に美しい月が!思わず保護者の車云々よりも、全員が月に釘付け!ちょうど雲が途切れて神々しい満月が姿を見せていた。思わず「ここで一句」という発想は浮かばず、後になって「ここで一句」というお題を出せばよかったと後悔。さて、新たに一句を作れなかったが代わりに有名な百人一首を紹介する。「秋風に  たなびく雲の  絶え間より もれ出づる月の  影のさやけさ (左京大夫顕輔(79番) 『新古今集』秋・413)」【現代語訳  秋風に吹かれて横に長くひき流れる雲の切れ目から、洩れてくる月の光の、澄みきった美しさといったらどうだろう!】まさに昨日の月の様子を見事に詠んでいる歌。この歌は複雑な技法を凝らすことなく素直にシンプルに秋の空を詠みきっており見事としか言いようがない。何事もそうだが、シンプルだとその物の本質が良きにしろ悪きにしろ見えてしまうもの。うーん、そう考えると昨日の素晴らしい月に対しては素人が下手にあれやこれやと批評したりせずに「素晴らしい!」「きれいだね」とシンプルに愛でて正解だったか。何はともあれ、おとといに引き続き昨日も素晴らしい満月を愛でることが出来、幸せである。

2016/11/17 12:20

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