めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
時代背景
中学生用のテキストで次のような問いがあった。問「ひとり灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる(吉田兼好)※この場合の文は書物。」下線部はどのような意味を表していますか。次から最も適当なものを選び、記号で答えなさい。ア会ったことのない昔の人と、書物を通して心を通わせること。イ会ったことのない国の人を書物で知り、友となること。ウすでにこの世にいない昔の友を、書物を読んで思い出すこと。答えはアなのだが、某生徒がイと解答。どこが違うかを考えてもらったのだが本人は自信をもって答えていたため、しばらくは分からい様子。そこで、次のような具体例を挙げた途端に「あっ」と気づいて正解に。その具体例とは「例えば、君がノンフィクション(事実に基づいた話)を読んで、感動したからと作者に連絡を取って会いに行く、あるいは外国なので会うのは難しいとなったら手紙やメールを送って友人になるようなものだよ。」と。ウに関しては「文」を「手紙」と勘違いした場合に選びがち。だが、今回の問題ではきちんと注釈があったのでそれを読めば選ばずに済む。さて、何が言いたいか?国際交流が進んだ現代においては見ず知らずに遠方の人と友人になることは、よくあるパターン。そのため選択肢を読んだ時に違和感を覚えないが、古文では時代背景が違うことを意識することが大切。ちなみにアメブロを始めたおかげで、見ず知らずの方々から「いいね」メッセージをいただいたり、逆に彼ら彼女たちの素敵なブログに遊びに行かせていただき幸せな毎日、ただただ感謝である。この点においては現代に生まれてよかった~と感じる。
2016/11/06 14:50
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