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小さな国語塾のつぶやき

方丈の住まい

【若者が「東京四畳半暮らし」にハマる理由】というタイトルに思わず釘付けになった。え?最近の若い子たちは「方丈記の世界に憧れているわけ?」と思いつつヤフーニュースを読むと次のような文が。【面白い不動産会社があります。「EARLY AGE(アールエイジ)」という会社です。扱っているのは、狭いと7平米、いわゆる四畳半程度の小さな部屋。(中略)そこには、トイレとシャワー、洗面所と流し台を兼ねたシンクがあり、下に洗濯機がはめ込まれています。(中略)空室が出るとすぐに埋まってしまうそうです。】(ヤフーニュースより10月25日付)要するに通勤時間の短縮や、安い家賃と言った合理性を優先した若者に人気のようだ。さて、「方丈記」とは鎌倉前期に鴨長明が著した随筆。仏教的無常観を基調に、大風・飢饉(ききん)などの不安な世情や、日野山に閑居した方丈(約四畳半)の庵(いおり)での閑寂な生活を描いている。鴨長明の父親は京都の立派な神社の禰宜の職についており、長明は、いい家のお坊ちゃんだったが・・・彼自身は禰宜になれなかった。世の中は先にも書いたように飢饉や災害ばかりという状態で彼の人生観は「無常観」➡世捨て的に方丈庵へと向かうわけだが、現在の若者の場合は世捨てどころか本当に「合理的思考」だと言える。どちらの思考が良い悪いとかはないが、正直言って若者の親や祖父母世代からすると「狭い住まい」=「かわいそう」「貧乏」となりそうだが、見方によっては「かわいそう」「貧乏」どころか「幸せ」「合理的」。同じ選択をするならば「自分にとっての」「幸せ」「前向き」「合理的」な方を選びたいもの。

2016/10/25 13:58

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