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小さな国語塾のつぶやき

アニミズム

日本には古来から、精霊、霊魂、神様が自然の中に宿るというアニミズムの思想があった。19世紀後半、イギリスの人類学者、E・B・タイラーが著書『原始文化』(1871年)の中で使用し定着させた。アニミズムという言葉自体は江戸時代にイギリス発祥で定着したわけだが、考え方そのものは先にも書いたように日本では古来からあった。言い方を変えると、八百万の神と呼ぶ。こういった思想がかなり古典作品には反映されている。有名な「ネズミの嫁入り」を演習していた中学3年生。「太陽は話さない」と思い込んだため、会話主を選ぶ問題ではことごとく「ネズミ」を選んでしまい×。当然、内容も全くチンプンカンプンだったとか。おとぎ話を知っていたり、せめて「動物以外は話さない」という思い込みがなければ決して難しい問題ではなかったのだが・・・。ちなみに気立てがいい彼は先週「中学校の○○先生は筆圧が強くて、黒板をバンバンと叩きながら授業。チョークの跡がしっかりとつくし、黒板自体も傷ついて可哀そうです。黒板の気持ちを考えてほしいですよね~。」と言っていたばかり。思わず「君は、先週は黒板の気持ち云々を言ってたよね。つまり、黒板に命があるという前提で話してたよね。黒板は命があるけれど、太陽や雲、風には命が宿っていないっておかしくない?矛盾してるよ」と突っ込むと大笑い。彼に「古文の思想は、君の優しさ同様の思想つまりアニミズム的で、動物以外の命、さらには異形の物も出てくる」と伝えた。古典に関しては、ゆめゆめ(決して)現代の思想を基準で考えるべからず(考えてはいけない)。

2016/10/13 12:55

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