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小さな国語塾のつぶやき

背景を知る

小中学校の教科書内に「短歌・俳句を味わう」といったタイトルを見かける。確かに短い言葉の中にぎっしりと込められている心情や風景をじっくりと味わうということは感性を磨くための素晴らしい方法で、ぜひとも学校の授業のみならず、こういうチャンスをぜひ見つけたいもの。しかし、テスト問題などに対しては短歌や俳句を味わうというよりも、いかに歌が詠まれた背景、よく使われる技法を知っているかが明暗を分ける。先日、俵万智(現代の歌人)さんの随筆がテスト問題として出題されていた。俵万智さんが石川啄木の短歌を2,3取り上げて自分なりの意見を書いている文章。問いでは、石川啄木の歌のテーマが4択で出されており・・・。本文を一文字も読まずに「石川啄木=望郷の念」という図式を知っている自分は「あ、答えはイだよ。エではないよ。なぜなら・・・」と生徒に説明したところ「先生、すごいパッと答えるね。さすが~」ととっても褒めてくれるS君。魔法でもなんでもなく「知ってるか、知らないか」だけの違いだと説明し、石川啄木は「望郷の念」「三行書き」、その他もろもろの背景を紹介。また、正岡子規は病気で動けない中、詠んだ句が多いこと、短歌や俳句では意識的に対比(色、生と死)が多く用いられることなども紹介。要するに、じっくりを芸術作品として短歌や俳句を味わいうことも大切だが、それらを本当にじっくりと吟味できる(する)ためには最低限の技法や作者の背景を知ることが必要。そうすることによって味わうことはもちろん、テストで出題されたとき、共に良い結果となる。

2016/09/04 13:42

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