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小さな国語塾のつぶやき

可愛さ余って・・・

「可愛さ余って憎さ百倍(かわいさあまってにくさひゃくばい)」という慣用句がある。意味は「かわいいという気持ちが強ければ強いほど、いったん憎しみの感情が沸けば、その憎しみは度もはなはだしいものだということ。」【注釈】日頃から可愛がっていた者に裏切られたりして、ひとたび憎いと思うようになると、その憎しみは可愛さの何倍も強くなるという意味。つまり、愛と憎しみは表裏一体であるということが伺える。偏りが強ければ強いほど、そのバランスが崩れた時の反動が強いということか。さて、こういったバランスを古人は現代人よりももっと意識して言葉を使っていたらしいことが様々な古語から伺える。それゆえ、一つの言葉に対して逆の意味を含むということが頻発・・・。例えば、中学3年生の教科書に「多摩川に さらす手作り さらさらに なにその児の ここだかなしき」(東歌)が掲載されており、「かなしき」の意味を選ぶ問がある。単純に考えると「悲しい😢」となるが正答は「いとしい(可愛い)」となる。古語を沢山覚えれば困ることはないのだが、膨大な量の古語をすべて覚えるのは不可能であり、またそんなことをする必要はない。古語と現代語では意味が異なることがあるということを意識して、文章全体から把握することが大切。特に、俳句や短歌は「感動」を詠んでいるのだから、児(子供)に関する歌は大抵が愛情を込めている場合が多い。

2016/08/26 13:54

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