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小さな国語塾のつぶやき

古語の命令形

古語の命令形は「命令」以外にも「願望、してください」といったニュアンスがあり、現代語というよりも英語に似ている。例えば、英語で道を尋ねた場合に相手から「Go  along  this  street   and  turn  right   at   the  next  corner.」と言われた場合、決して上から目線の「~しなさい!」といった強い命令のニュアンスは感じないだろう。訳してみると「この通りにそって行き、次の角を右に曲がって下さい」といった感じで、決して「曲がりなさい!」というニュアンスではない。命令形の「~しなさい、~すべきだ」というよりも「~して下さい」的なニュアンスが強く、古語の命令形も同じ。逆に現代語で「走れ」というとそのまま「走りなさい」となり、バスに乗り遅れそうになった場合などに使う。でも、古語での「~れ」の場合、「来たれ我が○○部へ」「幸あれ」「日々はあれ」は「ぜひ私達の○○部へ来てください」「幸せがありますように」「日々があってほしい」といったニュアンスで、命令というよりも「願望」に近い。ちなみに英語で丁寧な表現のPleaseは古語では「たまへ」が近い。細かい説明は省くが、神社の祝詞では「清めたまへ 祓いたまへ」という表現がよく使われているが、それは神様に対して「どうか清めて下さい、祓ってください」と丁寧にお願いしているのである。古語は難しいが、少しずつ覚えていくと、ふとした瞬間に耳にする言葉の世界が広がっていくだろう。

2016/08/19 14:03

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