めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
型にあてはめる
文章には「型」「書き方」があり、それをしっかりと覚えて守ることが大切だと常日頃から言っている。逆に心情表現などは自分独自の方が面白味が出てよいが。「型」を守ることによって①読み手に伝わる文章になる②書いているうちに論拠がずれる…ということを防げる、という2点が大きな理由。②に関しては「型」を守っているつもりでも意外とずれてしまっているということがしばしば。生徒には迷わずツッコミを入れて喜ばれている(嫌がられる)。さらには実は③「型」をしっかりと身につけることによって論説、説明文に対しての理解が大幅アップする。国語の問いで扱われている文章は「国語用」に書かれたものではなく一般書からの抜粋がほとんど。小説以外は、きっちりと「型」にはまった文章が世の中には多い。つまり、プロと呼ばれる作家は「型」を守っているのである。その証拠を示すためにあらゆるジャンルの本の一部をコピーして「キーワード」を生徒に見つけさせ、「型」に当てはまっていることを示すことがある。今月から中学生クラスは「意見文」に取り組んでいるので、一週目は「型」にはまった文章の見本を数種類配布、その後自分で200字ほどで型にはめる文章に挑戦。さて、配布した資料のうちの一枚を見て、ある生徒が「え?先生、こんな本読んでるの?コレステロール?!治療?!」と怪訝そうな表情。正直言って具体的な難しい箇所はきちんと読んではいない。が、「型」にはまった文章なのでどこが序論、結論かが一瞬で分かり作者の言いたいことは把握している。つまり、「型」を覚えることによってとりあえず作者の言いたいことは一瞬で分かる、いわゆる「速読」に近い能力が身につく。
2016/07/03 14:48
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