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小さな国語塾のつぶやき

くしゃみ

くしゃみをすると「誰かに噂されている」「一回ならば良くない噂」「二回なら良い噂」「三回以上ならば風邪」といったことを聞いたことがあるだろか?地域によっては回数と内容が若干違うようだが。中世の日本ではくしゃみをすると鼻から魂が抜けると信じられていた。だから、くしゃみが出るのは「人が呪っている」からで、それが「人が噂をしている」に変化したと言われている。鎌倉時代に記された「徒然草」47段には「子供がくしゃみをしたときに、親が『くさめ』と唱えないと死んでしまう」という一節がある。当時は風邪をこじらせて死んでしまう場合も多かった為に、その前兆としてくしゃみをするので「くしゃみ=病気=死」という図式が人々の間に出来上がっていたと思われる。口から発するもの(言葉、くしゃみ)に魂がこもっているという考え方は現代においてはナンセンスで、特に「くしゃみ」=「噂」なんてありえないことが分かるが、個人的には中世の考え方の根底は素晴らしいと思う。なぜなら、口から発するものには魂がこもってると考えることによって、必然的に「言葉を選ぶ」ようになるから。無意識に相手を傷つけてしまう言葉を発してしまったり、相手からのちょっとした言葉に傷ついてしまうのが人間。でも少し「言葉」を意識することによってお互いに傷つけてしまうことが少なくなり、相手から何を言われても「くさめ」といった呪文を唱えることによって傷つくのを回避できそうだ。それにしても、「くしゃみ」=「噂」が本当ならばお教室に通ってくれている生徒たちは頻繁にくしゃみをすることになりそう(笑)。個人情報が漏れない範囲でいつも生徒のことを褒めているから。

2016/06/24 01:22

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