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小さな国語塾のつぶやき

おたふく

先日、ある生徒が「お多福(おたふく)って納豆の会社でありますよね・・・」と発言。納豆メーカーの正しい名前は「おかめ納豆(茨城県の会社)」だが、「お多福」は「おかめ」ともいう。それを説明したところ「先生、おたふくの絵を描いて!」と言われたが、当然描けるわけもなく(「先生、絵心0」とすかさずツッコミが入った)。さて、最近は「おかめ・おたふく」が醜女(しこめ)の代名詞のようになっているが、実は平安朝の昔から、これが日本美人の典型とされてきた。下ぶくれのお顔で頬がふっくらしているのが特徴で、平安時代の絵巻物(社会の資料集)などを見るとお姫様たちは皆、下ぶくれの頬に長い黒髪で描かれている。そう考えると平安時代の絶世の美女と呼ばれる「小野小町」って一体どんな顔だったの?!今の基準からだと「果たして美人といえるのか?」と少々恐ろしくなる。知らぬが仏?!「こんな感じの美人だろう」と現代の基準に当てはめて妄想にとどめておくのが賢明のような気がする。このように「美」の基準は時代とともに変遷していくが、1000年たっても色あせず変わらないのが、根本的な人間としての教養か。今も昔も「見た目」は年齢とともに衰えていくが、「教養」は誰にも盗まれない、むしろ年齢とともに努力を重ねれば重ねる程、増えるもの。人間、常に学び続けたいものである。

お多福さんは日本女性の美の規範

 

2016/06/13 14:16

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