めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
グレる
「貝合わせ」という遊びがある。それは、平安時代から「物合わせ」(似たものを合わせて遊ぶ)として、貝の中に文字や絵を描いて遊ぶ風習をいい、男と女の上の句、下の句のやりとりの道具として盛んに用いたという。古典絵巻や古典漫画には「貝合わせ」の様子が描かれていることが多い。その後、蛤(はまぐり)が必ず一対であることから貴族や武士の間で現在のトランプゲームの「神経衰弱」に似た、出し貝と地貝を合わせるゲームが行われるようになった。さて、今はほとんど死語になってるが「グレる(反社会的な行動をとる、不良になる、素行が悪い)」という言葉が昔あった。実はこれは、「蛤(はまぐり)」をひっくり返して成った語「ぐりはま」の転である。 「ぐりはま」の「ぐり」が変化し「ぐれ」、「ぐれ」に活用語尾「る」を付け、動詞化したものである。これらの語は、ハマグリの貝殻をひっくり返すと合わなくなることから、物事が食い違う⇒反社会的、不良、素行が悪いという意味になったという。自身は「グレ」たことはないと自覚しているが、職業柄?!「先生、見た目がワル!」「もしかしてどSですか?」などと褒められると思わず「グレる」という言葉を思い出した次第。それにしても、この言葉を使うとなると・・・世代がバレそうだが、生徒には「平成生まれ!」ということにしている。
2016/06/10 02:51
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