めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
処世術
平安時代を代表する女流作家、紫式部(「源氏物語」の作者)は中宮彰子様にお仕えしていた。有る時、紫式部は同僚に「日本紀の御局(にほんぎのみつぼね)」というあだ名を付けられてしまった(ニックネームとあだ名は同義語だが、ニュアンス的にあだ名の方がマイナスイメージとして使われているので、今回は「あだ名」を使用)。「『日本書紀』を講演する大先生」といういう意味で「なによ、自分の知識をひけらかして、頭に来るわ」といったいじわるな意味が込められている。そこで、紫式部は「漢字なんて「一」も書けないわ~」というトロいキャラを演じることによってうまく乗り切ったという。まさに「能ある鷹は爪隠す」を実行している。では、どんな場合でも謙遜した方がいいのか?と言えばそうとも限らない。「爪」を隠し過ぎるとチャンスを逃してしまうこともあるだろう。例えば、紫式部と並び称される(よく比較される)清少納言(「枕草子」の作者)は逆に漢文の知識を上手にひけらかす?ことによって、教養豊かな中宮定子様から信頼されて可愛がられている。結局は、バカになった方がいい時にバカになれるかどうか?がその人の「能力」「人間性」の高さを表してると感じる。自戒を込めて。※本来6月1日付のブログだが、誤字を訂正したため日付けが更新されている。
2016/06/07 00:06
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