小さな国語塾のつぶやき
「聴き取り」の目的
当塾では様々な形態の「聴きとり」を実施している。時には「この人の声怖い!滑舌悪い~」と生徒からブーイングを飛ばされながらも(苦笑)、敢えていろんなパターンの物をチョイスしている。その中の一つとして興味深いのが、昨日の三段論法的な内容のヒアリング。例えば、「猫はネズミよりも小さく、猫は象よりも大きい。さて、一番小さい動物は?」といった内容のもの。「象<猫<ネズミ」なので答えは「象」。この問題の素晴らしいところが①文章を図や記号で表す訓練になる②三段論法の基礎となる概念を養う③自分の常識や思い込みを外し、きちんと内容を把握する、という3点の訓練になるという点。常識で考えればこの放送の内容は明らかにおかしいのだが、内容云々はともかくとして、正確に相手の言うことを聴きとるかが大切。聴き取りに限らず、文章を読むときもついつい自分の基準で読んでしまいがちだが、そうすると正しい答えにはたどり着かない。客観的に・・・とどんなに意識をしても必ず自分の個性が表れてしまうもの。それはそれで致し方なく、特に芸術においてはそれが才能と言える物になることもある。が、まずは「素直」に受け入れるという姿勢が何事にも大切で、その感覚を「聴きとり」を通して自然に身につけていってほしいと願うのである。
2016/01/31 14:39
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